さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、 勝なかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は、投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。(ヨハネによる黙示録十二章七~九節)                                     

五島列島Ⅰ

旧五輪教会堂

【世界遺産】旧五輪教会堂は、五島列島福江島の福江港からフェリーで20分の久賀島で降り、タクシーで30分程である。18世紀末の大村藩からの入植の際、外界の潜伏キリシタンが含まれていた為、その集落が形成。久賀島の最初の教会は1881年の浜脇教会で、同教会が五輪地区に移設され、旧五輪教会となった。旧五輪教会堂は大浦天主堂の次に古い教会堂で、外観に民家の形式を残しており、瓦葺木造ながらリブ・ヴォールト天井があり、初期の木造教会建築の代表例である。

江上天主堂

【世界遺産】江上天主堂は、中五島の奈留島の西端近くに位置する。奈留港から車で15分程である。五島列島には戦国末期にキリスト教が伝わるが、禁教令で断絶。その後、江戸末期に潜伏キリシタンが移住。鉄川与助による木造の現教会が1918年に完成した。クリーム色の外壁やブルーの窓枠が緑に囲まれとても美しい。19世紀以降、長崎に建てられた木造教会の中で、最も整った形式を見せるものの一つである。

頭が島天主堂

【世界遺産】頭が島天主堂は、五島列島の上五島有川港から車で20分位の所にある。鉄川与助による石造り教会として、1919年に完成した。日本全国でも珍しい石造の教会堂であり、デザインが優れている。内部の椿の装飾が美しく、「花の御堂」とも呼ばれる。江戸末期に移住した潜伏キリシタンが、近くの島で砂岩を切り出して作り上げたものである。

旧野首教会

【世界遺産】旧野首教会へは、佐世保港から高速船で波間を走り一時間半で小値賀島に辿り着く。また、便利な博多発の夜行フェリーもある。小値賀島から野崎島へは町営渡船はまゆうで30分程である。五島列島北端の野崎島には江戸末期に外海から潜伏キリシタンが移住した。旧野首教会は、1908年に教会建築で有名な鉄川与助により、野崎島の野首集落の高台に建てられ、厳しい自然環境に適応した潜伏キリシタンの集落の様相を良く留めている。野崎島は現在では無人島だが、NPO法人おぢかアイランドツーリズムにより管理されており、事前に連絡を取れば観光ができる。緑の草原と透明度の高い海岸に囲まれた高台のレンガ造りの教会は、辿り着く時間を差引いても一見の価値がある。