イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。(ヨハネによる福音書十九章二十六~二十七節)

トルコ

アギオ・ソフィア(イスタンブール) Agio Sophia (Istanbul)

名実共にアジアとヨーロッパの境界に位置する古都、イスタンブール。オリエント急行の終着駅からトラムの走る石畳の坂道を上ると、アギオ・ソフィアの華麗で勇壮な姿が目に入ります。紺碧の虚空を突くような四本の尖塔。前庭は美しい噴水が奏でられた公園となっており、ここを訪れる観光客達の憩いの場所となっています。かつて、コンスタンチノープルがビザンチン帝都の時代、ここは東方教会の大聖堂として繁栄しました。

カーリエ博物館(イスタンブール) Karie Museum (Istanbul)

カーリエ博物館は、イスタンブールの中心街から車で二十分程飛ばしたところにあります。ビザンチン帝国時代の大聖堂だったこの建物は、発掘調査隊により、原色に綾取られた多数のフレスコ画が発見されて以来、カーリエ博物館として一般公開されるようになりました。

ギリシャ正教総主教座(イスタンブール) Ecumenical Patriarchate of Constantinople (Istanbul)

ローマ帝国が東西に分割された後、時のコンスタンチヌス大帝は、コンスタンチノープル(現在のイスタンブール)をビザンチン帝国の首都に定めました。以来、コンスタンチノープルはオスマン・トルコに征服されるまで、ビザンチン帝国の首都として、千年以上の永きに渡って栄えました。それは、あたかも黙示録に記された「キリストの千年王国」を髣髴させます。

以後、コンスタンチノープルは東方教会(オーソドックス)の中心地として、独特の文化を育んできました。今でも、この地にギリシャ正教会の総主教座が存在します。それは、イスラム化された現在のトルコ領内で、ひっそりと、しかし厳重な警備に囲まれ、その存在感を顕していました。

 

マリアの家(クサダシ) Meryam Ana Evi (Kusadasi)

イエス・キリストの母マリアが住んだと言われる家がエフェソ(現在のクサダシ)にあります。イエス・キリストが十字架に掛かけられた後、十二弟子の一人ヨハネがマリアを引き取り、この地で暮らしたと伝承されています。マリアの家の所在は、一人の修道女に幻の御告げで示され、その手掛かりを基に捜索された結果、御告げ通りにこの遺跡発掘されたとのことです。
以来、マリアの家は、カトリック信徒にとって聖母マリアが晩年過ごした場所として尊ばれ、巡礼者の列が絶えません。