わたしは、あなたがたの兄弟であり、共にイエスと結ばれて、その苦難、支配、忍耐にあずかっているヨハネである。わたしは、神の言葉とイエスの証しのゆえに、パトモスと呼ばれる島にいた。(ヨハネの黙示録一章九節)
ギリシャのテサロニキは使徒パウロが直接キリスト教を伝道した場所として有名です。アギオス・ドミトリウス教会の直ぐ側にはパウロが説教したであろうローマン・アゴラ（古代ローマの市場）遺跡も見られます。アギオス・ドミトリウス教会は十一世紀に建立されたギリシャ正教会で、世界遺産にも指定されています。古くから残るギリシャ正教会は赤茶色のレンガ造りとイコンで装飾されたチャペル内装が大きな特徴です。
「ヨハネ黙示録」は新約聖書の巻末を飾る書物です。この世界で将来に渡り起こりうる出来事を記した預言書でもあります。エーゲ海に浮かぶ孤島、パトモス島は最晩年の使徒ヨハネの流刑地となりました。この島で使徒ヨハネは有名な黙示録を記することとなります。
島の頂に聳え立つ白亜の教会。時の止まった異空間に滑り込んだような錯覚を覚えます。暫し佇みその情景に見惚れました。白と青はギリシャ国旗のナショナルカラーを具現しています。島のシンボルである青い半円形ドームが特徴のギリシャ正教会内部は一面フレスコ画で綾取られたヘレニズムの世界。静まり返った空間で白装束の司祭がひとり祈祷を捧げていました。
アテネのピレウス港は、ギリシャ伝道旅行に訪れたパウロ一行が上陸した起点です。ピレウス港はアテネから十キロ程南西に下ったところに位置し、現在はエーゲ海クルーズの発着点として賑わっています。色取り取りの豪華客船が接岸する桟橋近くの古いギリシャ正教会。強固な煉瓦造りの外観が大きな特徴です。
